大判例

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熊本地方裁判所玉名支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人を懲役三年に処する

未決勾留日数中五十日を右本刑に算入する

理由

一、罪となるべき事実

被告人は、(一)昭和二十五年十一月二十四日福岡高等裁判所において窃盗及準強盗罪により懲役三年に、(二)同二十六年二月二十三日同裁判所において窃盗罪により懲役二年に、(三)同年七月四日福岡地方裁判所小倉支部において窃盗罪により懲役八月に、(四)昭和二十六年一月二十五日大分地方裁判所竹田支部において賍物運搬外国人登録令違反事件で懲役二年及罰金千円に処せられ右(一)(二)(四)の各刑は引続き執行を受け終わりたるものであるが更に常習として荒巻修一と共謀の上

第一、昭和三十二年六月二十八日午前一時ごろ熊本県荒尾市緑ケ丘社宅弥生町水道工事現場において同工事用の三新建設株式会社所有に係る水道用鉄管一本(時価三万五千円相当)を窃取しようとして之を抱起し自己の運転する自動三輪車に積込もうとしたところ同工事現場の監視人村上久に発見されたためその目的を遂げず

第二、同日午前一時ごろ同市唐池道路工事現場において所携のブライヤ及スパナ各一挺を使用し荒尾市の所有に係る同工事用トロツコ一台から車軸二本に付着した車輪四個(時価九千円相当)を取外して之を窃取しようとしたが折柄荒尾警察署緑ケ丘派出所勤務司法巡査吉田洋一が前記第一記載の村上久より申告を受け追跡して来たためその目的を遂げなかつた

ものである。

一、証拠の標目

判示前科の事実は

(イ)  被告人に対する窃盗被告事件に付福岡地方裁判所大牟田支部昭和二十五年三月二十三日言渡判決書の謄本及同控訴事件に付福岡高等裁判所昭和二十五年十一月二十四日言渡の判決謄本

(ロ)  被告人に対する窃盗被告事件に付佐賀地方裁判所昭和二十五年五月三十一日言渡判決書の謄本及右控訴事件に付福岡高等裁判所昭和二十六年二月二十三日言渡判決書の謄本

(ハ)  被告人に対する窃盗被告事件に付福岡地方裁判所小倉支部昭和二十六年七月四日言渡公判調書謄本

(ニ)  被告人に対する賍物運搬外国人登録令違反被告事件に付大分地方裁判所竹田支部昭和二十六年一月二十五日言渡判決書謄本及右控訴事件に付福岡高等裁判所昭和二十六年七月七日言渡判決書謄本

(ホ)  熊本地方検察庁検察官の発信に係る被告人に対する刑の執行に関する調査回答電話録取書

により

判示窃盗の未遂の事実は

(イ)  黄在錫の検察官に対する第一、二回供述書

(ロ)  当審昭和三十二年八月三十一日附検証調書

(ハ)  当審証人吉田洋一、村上久、平川和幸、坂本敏夫、荒巻修一、坂田始次、北原昭の各尋問調書

(ニ)  当審証人黄在錫、井上貢、丸山実生の各供述

(ホ)  荒巻修一の昭和三十二年六月二十八日附司法警察員同年七月三日同月八日附検察官に対する各供述調書謄本

(ヘ)  現場写真記録(一)(二)

(ト)  坂口始次の検察官に対する供述調書

(チ)  荒巻修一の昭和三十二年七月十五日附司法警察員に対する供述調書

(リ)  荒尾市労務課のトロツコ車輪価格報告電話録取書

(ヌ)  当審昭和三十二年九月二十八日附検証調書

(ル)  押収の紙片二枚

(オ) 鑑定人下田亮一の鑑定結果報告電話録取書

により

常習の点は前示のように窃盗の前科があるのと本件犯行の状蹟を参照し

判示事実を認める

一、適用法令

被告人の判示所為は刑法第六十条盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第三条第二条に該当するところ刑法第五十六条の再犯であるから第五十七条の再犯加重をなし第四十五条の併合罪であるから第四十七条第十条により判示第一の罪に付併合加重をなし第十四条の制限刑期範囲内に於て被告人を懲役三年に処し第二十一条により未決勾留日数中五十日を右本刑に算入すべく

よつて主文の通り判決する。(昭和三二年一〇月三〇日熊本地方裁判所玉名支部)

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